2009年3月30日月曜日

FLY WITH ME 002--

屋上で仰ぎ見る蒼穹。
灰白色のビルが、山並み。まばゆい照り返しを創るガラスは、海原。
回遊魚みたいな車。うじゃうじゃ這ってる、ギガントキプリスそっくりな人、人、人。
ああ、天よ! 今、灼熱の光を浴びながら、巨大なトビウオが上っていく。
ゆっくり小さくなっていくその姿を目で追って、まだ、わたしは、どこにも羽ばたけない。
翼なんて、いらない。箱庭みたいな世界が、わたしは好きなの。
静けさの中、ときめきの刹那を刻みながら、腐りそうな島に浮かんでいる。
焼き殺されるまでは、ここで生き延びるんだ。
わたしは、絶崖の屋上で、エビバーガーを頬張りながら、戯言だらけの企画書をひっちゃぶいて八つ裂き、眼下のパレードに見舞ってやった。
わたしが撒いた紙ふぶきが、次々とスカイフィッシュの群れに食いつくされ、跡形もなくなる頃、トビウオは天空を旋回して、やがてほんとのキョクアジサシになった。
なんて大きな姿! 雄大で爽快。遠くの入道雲に突き刺さりそうな勢いで、その身をとがらせていく。
水平線なんて、あったんだっけ。彼方の限りが見えたなら、もう、こうしちゃあいられない! わたし、もう待っていられない!!