2009年5月6日水曜日

FLY WITH ME 005--

着地を誤った。目検討の着陸地点は、はるか彼方に逸れている。
新天地を目指して漕ぎ出した船のつもりが、いつのまにやら漂流し始め、海から空に至るや、即座に緊急着陸。
身一つで岬に立つ。やがて、サバイバルが始る。狼煙が上がった。漂着者である僕は、フィールドの様相がつかめない。
掟は理解できる。正しく積まれた食物連鎖のヒエラルキー。増加する離脱者は、いわば死傷者と同義。フィボナッチ数に従ったペースで累積される数字。弱肉強食のもと、焼肉定食にありつけるのか。仲間がまだみつからない。孤軍奮闘。
先住民が狩りに来る。血潮が騒ぐ鼓の嵐。追い詰められて、今や断崖の上。
日が落ちる前に、向こう側へ飛べ。眼下の激流に怯まず、迫り来る奪う手を振り払い、臆することなく助走しろ。大地が途切れるまで加速して、タナトスさえも蹴散らして、冥府の先をめがけて飛び越えろ。
蹴り上がったその身は高く高く舞い、沈みかけの太陽に染まる、重なるシルエット。灼熱の絶海にあっても、翼はもがれていなかった。対岸に届け。
生き延びる術は、もう無い。