変わらぬ友情を。
旅立つ背中は、いつの間にか、凛々しくなってたね。
いつしか、弧を描いて湾をかすめ飛ぶ、あの大きな翼の群れに連なっていく。
大海を越えていく、きみは新たな自分と向き合いながら、見たこともない青い空を仰ぐ。きみの後ろにたなびく白いスカーフは、帆風をまとって、進んできた航路を記す。
また会うときは、お互いが馳せる思いを解き放とうよ。意固地になってた、小さな葛藤の渦や、小競り合いで傷ついた掌を、“せーの”で広げて。
見送るぼくは、それだけを楽しみに描いて、小さくきみの後ろ姿に向かって呟いたんだ。振り向かずに、きみが手を振ったその背中。大空に飛び立つ前の、搭乗の間際、絵になる格好でエスカレーション。
その姿が沈み行く寸前に、ぼくは躊躇っていた言葉を発した。
「GOOD LUCK!!」。その言葉は、忙しなく行き交う人の波、引きずられるキャリーバッグのローラーに轢き殺されつつも、それでもきみが微笑む様子が、背中越しに伝わってきた気がする。
視線を変えると、総ガラス張りの向こうには、待機するエアライン。
青空が、きみを包むまでは、屋上から見送ろう。白い雲の筋が、きみを追いかけていくように。