2009年5月12日火曜日

FLY WITH ME 008--

花びらが高く舞う。上昇気流。
戯れるようにしてビルを飛び越えて。
地上から吹き上げられて、一体どこへと、その身を運ぶのだろうか。
陽光にきらきらと、春風にひらひらと。軽やかに、ふわりふわりと。
白い雪のような、淡いピンクの、散る想いにも似た。
切ないけど、晴れ晴れとして、朗らか。
パレードに舞う紙ふぶきのようで、とても静かな祝祭。
わたしはまだ、はらはらと力尽きたように舞い落ちる一弁をつかめない。
目の前を揺らめいて、過ぎていくたびに手を伸ばしても、すり抜けるようにかわされる。
高らかに舞ったのだから、たやすくはつかまらない。
敷き詰められた一面のピンク。どこに流れ着くの。何を覆い隠すの。
季節がめぐり来るまで、空に溶けてしまうほどに透き通って、誰にも見せない、つかまらない。
永遠のようでいて、儚い。
繰り返し繰り返し、わたしは同じ空を仰ぐ。
その瞬間、横切っていくのは、いつも同じ、春の陽気に舞う桜吹雪。
わたしの髪の毛だけは、あの頃よりも短くなった。
今年は、桜はまだ咲いている。
まだ、すべてを散らさないで。この想いをしたためるまで。